Cecil Taylor & Derek Bailey : Pleistozaen Mit Wasser
Label : FMP – FMP CD 16
Format : 1CD, Album, Repress
Country : Germany
Released : 1989
Disk : 目立ったキズや汚れなし
Jacket : ブックレット、目立ったキズや汚れなし
Case : プラケース、目立ったキズや汚れなし
Piano – #Cecil_Taylor
Acoustic Guitar, Electric Guitar – #Derek_Bailey
テイラーが1988年の夏にベルリンで行った6回のコンサートのうちの1回で、共演のアイデアはテイラーから。武士の立ち会いを思わす演奏だけでなく、演奏風景をなるべくそのまま伝えるかのような記述的なライナーが素晴らしい。
抄訳すると、ベイリーが演奏を始めてもテイラーがピアノに近づかないまま時間が経過する。テイラーはステージ脇に足を組んで座り、テキストを広げ、詩のキャラクターの声を確認しながら独り言のように断片を読んでいる。その声は、不平、憤慨、自惚れ、驚愕、ハミング、むせび泣き、と様々。ベイリーはテイラーに無関心でステージを歩き回り、アコースティックギターの音を背の壁に反射させ、アタックを試し、激しく弾いている。彼はピックを弦にそわせて数回動かし、その音がテイラーを促して立ち上がらせる。テイラーはピアノのところへ移動し、ピアノの弦をつま弾いたりこすったりする。そして伴奏者のように演奏を始めると、途中でベイリーはエレキトリック・ギターに持ち替える。テイラーは弦の左手で各音を弱めながら、非常に正確に右手のトリルを非常に速く演奏し、数秒間音楽に「クラヴィコード」の色合いを吹き込む。しばらくすると、ピアノはベイリーのギターの断片的なリズムに近づき始め、ついには区別がつかなくなり完全に入り込む。テイラーはエネルギーを徐々に増していき、時に軽快なステップでモンクのように弾き、ベイリーのスタッカートで不協和音を刻む伴奏と交代をしながら激しさと静けさを繰り返す。終盤にはピアノのアルペジオの波紋の中でギターの倍音が弾け、ベイリーがフレットボードをこすりながらスチール弦のピッキングのかすかな音で音楽が終わる。